ライブで自分達の思うように行かなかったと
落ち込んでいるバンドマンがいた。
普段、明るくて、元気な彼らなのだが
珍しく元気がなかった。
こういう時はうまい励ましの言葉が見つからない。
中途半端な慰めはありがたくもないだろう。
頑張れよ、と心の中で応援するのみ。
時間がある時はホールの外に出る。
外からホールを見ることで気分転換になったり
凝り固まった自分の視点を変える事が出来たりする。
バケツを持ってゴミ拾いをしていたら、
さっきのバンドマンが外のベンチで物思いにふけっていた。
気にはなったが、声もかけにくいし
目と目で挨拶を交わすだけにした。
その夜、録音の仕事が終わり、片づけをしていた時の事。
録音の様子を見学に来ていたさっきの彼が
「俺、今日辰也さんから元気をもらいました」、と。
「黙々とゴミ拾いしている辰也さん見てたら
なんか頑張んなきゃ、ってきになりましたよ」
ありがとう。
照れくさかったので、聞き流したふりをしたけど
元気をもらったのはこっちのほうでした。
また頑張るよ。頑張ろうね。(辰)



※ソノダさんのチェンバロではありません。





